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宅建の罰則強化と瑕疵担保保証

2006年12月8日

耐震強度偽装問題で浮上した瑕疵担保責任について、
6月21日に「建築物の安全性の確保を図るための
建築基準法等の一部を改正する法律」が成立(施行
は12月20日)。このほど、改正される宅建業法と
その施行規則等が発表された。

宅建業法においては、重要事項不実告知等の罰則が強化
されるほか、土地や建物の売買・交換の際「保険加入の
有無等についての買主等への説明」が重要事項説明に
追加される。

(1)業務に関する禁止事項の追加
故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為
(宅建業法第47条の禁止行為)として次の一文を
追加する。

宅地もしくは建物の所在、規模、形質、現在もしくは
将来の利用の制限、環境、交通等の利便、代金、賃借
等の対価の額もしくは支払方法その他の取引条件また
は当該宅地建物取引業者もしくは取引の関係者の資力
もしくは信用に関する事項であって、宅地建物取引業
者の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすこととなる
もの。

(2)罰則の強化
重要事項の不実告知の罰則を現行の「行為者に対して
1年以下の懲役、50万円以下の罰金。法人に対して
50万円以下の罰金」から、「行為者に対して2年以下
の懲役、300万円以下の罰金。法人に対して1億円
以下の罰金」に強化する。ほかの行為についても罰則
を強化している。

(3)瑕疵担保保証保険契約(賃貸借は対象外)
重要事項説明(35条)に「宅地または建物の瑕疵を
担保すべき責任の履行に関し、保証保険契約の締結
その他の措置で国土交通省令で定める措置を講ずる
かどうか、及びその措置を講ずる場合におけるその
措置の概要」を追加する。

「国土交通省令で定める措置」とは次のとおり。
・当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に
 関する保証保険契約又は責任保険契約の締結
・当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に
 関する保証保険又は責任保険を付保することを委託
 する契約の締結
・当該宅地又は建物の瑕疵を担保すべき責任の履行に
 関する債務について銀行等が連帯して保証すること
 を委託する契約の締結

説明する内容は、保険を行う機関の名称(商号)、保険
期間、保険金額、保険の対象となる宅地建物の瑕疵の
範囲など(連帯保証委託契約の説明も同様)。青田売り
の場合(重要事項説明時点で建物が未完成)は、保険
契約等を締結予定である旨を説明するとともに、締結
予定の保険契約等の概要を説明することを義務づける。

なお、第37条では、契約が成立したときに交付する
書面(契約書)に、瑕疵担保責任について保証保険契
約やその他の措置等の内容の記載等を義務づける。

宅地建物の売買や交換を行う会社においては、次の
リンク先をよく読んでほしい。

瑕疵担保保証保険契約に関する宅建業法の新旧対照表
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/const/fudousan/061201kashitanpo.houritsu.shinkyu.pdf

宅建業法施行規則の一部を改正する省令の新旧対象表
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/const/fudousan/061201kashitanpo.shourei.shinkyu.pdf

宅建業法ガイドラインの一部改正(新旧対照表)
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/const/fudousan/061201GUIDELINE.HONBUN.SHINKYU.pdf

土地・建物の売買・交換用、重要事項説明書の書式例
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/const/fudousan/061201GUIDELINE.JUSETSUYOUSHIKI.SHINKYU.pdf

追記:瑕疵担保保証保険契約に関する今回の宅建業法の
  改正は、瑕疵担保責任を履行するための保険等の措
  置を講じているか否か(講じている場合はその内容)
  を説明するというもの。
   報道によると国交省は今後、瑕疵担保責任履行の
  ための売主の資力確保措置を制度化する新たな法律
  づくりに注力する。早ければ来年の通常国会に法案
  が提出される見込みとのこと。

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